九龍ジェネリックロマンス 31話 感想(ネタバレ注意)九龍への苛立ち

ドラマ

蛇沼が初めて登場したときはあまり良い印象を抱いていませんでした。

逆にあの感じの蛇沼に好印象を持っていた人はいるんでしょうか。もしいるのであれば相当変わっている方ですね。間違いありません。

どうして蛇沼に悪印象を持っていたかというと、単純に怪しさしかなかったからです。鯨井はクローンかもしれない。そんな時に現れたのが製薬会社の社長である蛇沼です。

誰がどう見ても鯨井の件に絡んでいそうでした。挙句の果てにはジェネリック地球への支援をしたり、登場すれば登場するほど胡散臭さを激増させていました。

蛇沼に悪印象を持っていた理由はそれだけではありません。決定的だったのが唐突に鯨井にキスしたことです。こんなんセクハラを通り越して性犯罪でしょ。キモさがさく裂した瞬間でした。

では、今はというと正直嫌いではありません。なんなら好きになりつつあります。これはやっぱり蛇沼の胡散臭さがなくなったからでしょう。どうして胡散臭いと思うかというと蛇沼の事を知らなかったからです。知らない上に、何やら意味深だった。だから、何だかなぁという気持ちがあったんですけど、ここ数話蛇沼を描いてくれたおかげで結構知ることができました。

何より人間らしさが出てきたのが良かったんだと思います。以前の蛇沼は笑みを張り付けて、何を考えているか分からないような顔をしていました。しかし、最近は蛇沼の日常を描くことで、彼にも人間らしいところがあるんだと知ることができました。こういうのってやっぱり大事なんですね。すっかり私の蛇沼に対する警戒心が薄れてしまいました。

では、蛇沼のことが何もかも分かるかというとそれは違います。

31話の最後に蛇沼は「九龍は神経を逆なでする場所だ」といら立っていました。この感情が理解できません。どこから発露されたものなんでしょうか。

コマの外には「心地よくて忌まわしい傷だらけの過去を秘めて」という文章がありました。そして、九龍は懐かしさを感じさせると色々な人たちが言っていました。そのことから自身の過去と九龍の人々を対比して苛立ったんじゃないかと思うんですけど…。

うーん、どうなんでしょうね。考えられることはいくつかありますが、正直こういうところは蛇沼の気持ちが分かりません。

31話の大まかなあらすじ
  • 蛇沼とグエンは九龍へとやってきた
  • まずは喫茶店に訪れ、グエンはとあることを確認した
  • かつて喫茶店で働いていたグエンは、そのときに野良ネコ用の小屋を作っていたのである
  • しかし現在の喫茶店にはそのようなものがなく、グエンの知っている九龍ではないと断言した
  • それから二人は会話しつつ探索し、クリニックへと戻ってきた
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飲食を禁止するのは何故なのか

蛇沼はグエンと共に九龍に向かうにあたり二つの禁止事項を告げました。

・九龍産の飲食禁止
・住人との過度な接触禁止 

というものです。なんというか蛇沼の言っていることって、まるで九龍がヤバいところって感じじゃないですか。

例えば治安が悪くて不衛生なところだとします。そんなところで飲食したり、住人と会話しようと思うでしょうか。飲食は不衛生だから腹を下しそうで怖いし、住人と接触したら揉めそうで怖い。だから、そういう地域に行くというのなら分かります。

でも、九龍はスラム街とは言われていますが、とてもそんな風には見えませんでした。そりゃ描写されていないところで治安が悪かったりするんでしょうけど、今のところ治安の悪さは見えないし食べ物だって美味しそうなものばかりでした。

もし腹を下すのなら日本人である鯨井や工藤は定期的にそうなっていてもおかしくありません。しかしなっていないということは不衛生でも治安が悪いというわけでもありません。

そんなこと何度か九龍に訪れている蛇沼は知っているはずです。にもかかわらず、こうした禁止事項を設けるのはどうしてなのか。やっぱり、九龍そのものを怪しんでいるんでしょうか。

これについては後で話をするんですけど、グエンが自分の知っている九龍じゃないと言いました。つまり、何者かの意図により作られたわけです。そんなところの物を食べるのは危険、という考えを蛇沼は持っているのかなぁと思いました。

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グエンの知っている九龍ではない

蛇沼とグエンが訪れた先は例の喫茶店でした。

驚いたことにグエンも昔のこの喫茶店で働いていたようです。ということは、タオ・グエンのほうも鯨井のように記憶はないけど、無意識でオリジナルの真似をしていたんでしょうか。そうでないとオリジナルとクローンが同じ場所で働くってかなりありえないですよね。

グエンが喫茶店に訪れた理由は、てっきりタオの足掛かりを探すためだと思ったんですけど、働いていたときに作った野良ネコ用の小屋を見に来ただけでした。

しかし、これが重要な話に繋がっていきます。

小屋がなくなっていたのです。それはもう見事なくらい跡形もなく。このことからグエンは自分が知っている九龍ではないと断言しました。確かに色々な疑惑があったうえで、自分が置いたはずの誰も知らない小屋がなくなっているとそう思うのは仕方がありません。

しかし、冷静に考えるとグエンが働いていたのは昔の事だろうし、誰かが撤去したんじゃないかと思うはずです。蛇沼は思うところがある様で、これだけでは判断しかねると言っていました。

私も蛇沼に同意件です。この程度の事を根拠にしていれば何だって言うことができます。それは蛇沼やグエンにとっても良いことではないはずです。

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蛇沼は思いやりがある

これ凄く意外だったんですけど、蛇沼はクローンに対して寛容でした。寛容というかクローンを全否定するグエンに否を唱えたかんじです。でも、それが普通だと思うんですよね。

いかにクローンとはいえ、人格を持っているのは間違いありません。法律上の問題は仕方がないにしても、感情面でクローンを否定するのはどうなんでしょう。

そりゃ本来いるはずのオリジナルがいなくて、そこにクローンがいるという状況を好ましく思わないのは理解できますけど、人格を認めるか否かは別問題じゃないですか? 

どうして蛇沼がクローンに共感できているのか考えたんですけど、養子だということが大きいんじゃないかと思いました。養子は言ってみれば親の血を引いていないわけです。

言い方は悪いですけど、オリジナルではなく偽物です。過去の回想を見るに蛇沼は父親に認められたがっていました。だから、クローンの気持ちが分かるんじゃないかって思うんですよね。

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